埼玉　「蕨の一市民として」　野崎忠雄

　1986年4月26日、ウクライナのチェルノブイリで起こった原発事故の恐ろしいニュースは、全世界を驚かせました。そして被災した現地の人々の体に、また大地に、年を経るに従って被害を与え続けています。

　 2000年10月のある夜、チェルノブイリ写真展事務局の小林さんから、来年4月28日、蕨市民会館でチェルノブイリ救援コンサートを開きたいのだが、蕨市民としての私に協力してほしいという電話がありました。断る理由はまったくなく、むしろ蕨市として名誉あることなので応諾しました。さて、応諾はしたものの私は82歳、何ができるのかと、心配しましたが、第１回から第６回まで毎月続けて行なわれた実行委員会に出席するたびに、実行委員会のみなさんのチームワークのパワーに圧倒されました。

　そしてその周到な準備の結果、2001年4月28日、ウクライナ子ども民族音楽団一行を蕨市民会館ホールに迎え、盛大なコンサートが開かれました。華麗な民族舞踊の終わりのころになって、期せずしてこれに応じてわきあがった満場の観客の拍手のリズムは、私の生涯忘れることのできない感激として残ることでありましょう。

♪事務局より：実行委員長で子ども基金の監査でもある黒部さんからはビタミン剤、解熱剤などの医薬品をこの日に受け取りました（救援状況参照）｡実行委員会で野崎さんの「現在の日本を取り巻く状況は戦前のそれと酷似している」という言葉が印象的です。